Ver. |
日付 |
内 容 |
7.00.00 |
'17.09.26 |
■プログラムの機能追加・改善
- 平成29年道路橋示方書に関するオプション「土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)」を追加しました。 主に、曲げ応力度照査、曲げ耐力照査、せん断耐力照査、曲率照査、変位照査(単柱式RC橋脚と単柱式鋼製橋脚)、残留変位照査(単柱式RC橋脚と単柱式鋼製橋脚)です。
- 断面照査用詳細入力プロパティ画面で示方書条項が許容応力度法の曲げの場合、従来は鋼板の断面要素に対しては許容応力度を手動で設定する必要がありましたが、鋼板の種類や降伏点を判別して自動的に道路橋示方書の許容値を設定する機能を追加しました。鋼板の降伏点を自動的に識別できない場合は従来どおり、手動で設定する必要があります。
- ファイバー要素の断面のセル分割において、鉄筋中心がコンクリートセルの境界上にあるときは、関与するコンクリートセル面積から等分割された鉄筋面積が差し引かれています。差し引いた結果が負になる場合は、そのセルは削除されます。鉄筋中心がセルの境界上にあるかどうかの許容誤差は、従来は0.001mmでしたので、鉄筋中心座標の精度が悪いと境界上ではなく、あるセルの内部に存在すると判定され、そのセル面積が鉄筋面積より小さいとセルが削除されます。削除されないようにするためには、鉄筋中心座標の有効桁数を多くして入力する必要がありました。そこで今回、許容誤差を0.1mmに緩和しました。この結果、セル1個が削除される頻度が減少する傾向になり、利便性を高めました。
- 入力データファイルのバックアップ機能に対応しました。設定により、最大10世代前までのバックアップファイルを作成することが可能です。
- リボン「照査|結果」内の総括表タブ、断面照査タブ、塑性率照査タブ、曲率照査タブ、残留変位照査タブ、ばね要素照査タブ、限界状態照査タブに、照査結果の詳細な内容(例:中間データ、計算式等)をレポートリストに追加するかどうかのスイッチを設けました。従来は詳細な内容がまとめて任意設定のレポートリストに追加されていましたが、それを廃止し、各照査の表と組合せて出力することができるようになりました。
- 最近使ったファイルの履歴数は10個で固定でしたが、最大で50個まで設定できるように改善しました。
- アプリケーションメニュー「ファイル」に「サンプルフォルダを開く」を追加しました。サンプルファイルを簡単に呼び出すことができます。
- リボン「ファイル|システムオプション」画面の「描画オプション」に「全体座標系の矢印を表示する」のオン/オフと「説明文字列を表示する」のオン/オフを設置しました。全体座標系を非表示にしたり、結果のモデル図において説明(断面力の正の説明図やコンタ図の説明文)がない状態の図にすることが可能になりました。
- 結果モードのときに入力データを確認するリボン「ホーム|表示|編集画面」ボタンを削除しました。このボタは従来は必要でしたが、本版では不要になりました。結果モードからホームタブに入るとナビゲーションがすぐに表示されるので便利になります。
■プログラムの不具合修正
- 内部履歴がTakeda型で非対称トリリニアのM−φ特性の履歴経路が正しくない場合がある不具合を修正しました。具体的には、正側第1勾配から除荷して負側第1勾配を僅かに超えた後、再度正側へ再載荷した経路のときに正側の過去最大点を目指すべきでしたが、それよりも剛性が低下した経路をたどる場合がありました。
- M−φ特性「H24道示V-p.122RC橋脚」ではδy0を算出するときに梁部分の曲率分布をゼロとしていました。これはH14道路橋示方書V耐震設計編p.337の図に準拠しているためです。一方、塑性率照査や残留変位照査ではδy0を算出するときに梁部分の曲率分布を考慮していました。これはH24道路橋示方書V耐震設計編p.175の図に準拠しているためです。今回、塑性率照査と残留変位照査およびばね特性「H24年7月NEXCO二集」においても、梁部分の曲率分布をゼロとしてδy0を算出するように変更しました。
- 道路橋示方書V耐震設計編のせん断耐力Psを求める際のScにおいて、せん断スパン比による割増係数Cdcを自動的に考慮する指定のとき、-Mzpに対するCdcの計算が間違っていた不具合を修正しました。
- 部材軸方向鉄筋の必要断面積の照査「Asreal≦As」において、As算出式中のSh'が「Sh'=|Sh-Sp|-Sc」になっていなかった不具合を修正しました。該当するのは、許容応力度法せん断の道示III(H8、H14、H24)と終局強度法の道示III(H8)です。
- 道路橋示方書IIIコンクリート橋編の最小鉄筋量照査「Ast≧0.005bd」において、主軸zp軸方向(+Myp)の結果が間違っていた不具合を修正しました。
- 平板要素断面力のコンタ切断図の2次元図が計算する度に左右反転する不具合を修正しました。また、同符号にもかかわらず左右上下に入れ替わる2次元図となっていた不具合も修正しました。
- ばね特性「名古屋高速ゴム支承」において、既存の支承データベースの行をコピーした場合に編集不可となっていた不具合とコピーで増えた行の削除ができなかった不具合を修正しました。
- ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」の入力画面において、終局曲げモーメント(限界曲げモーメント、破壊抵抗曲げモーメント)を算出する際のPC鋼棒2号の応力ひずみ曲線がトリリニアの形で表示されていましたのでバイリニアに変更しました。描画だけの不具合であり、計算自体はトリリニアで実施されています。
- 1つのメッシュ要素を複数のメッシュ要素に分解するときに、メッシュ要素座標系の方向を決定する2つのベクトルの数値を維持していましたが、平面の選択の設定(xl-ya、yl-za、zl-xa)を維持していませんでした。平面の選択の設定も維持するように修正しました。
- ひび割れが多く発生する非線形の平板要素モデルを低次要素で作成し、ひび割れ図と変位図を同時に表示させるとアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- シーケンス荷重の設定で入力波が空となっている場合に、入力データのレポート出力を行うとアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- ナビゲーションから呼び出す表形式入力を行い、カーソルが表の中に残っている状態で、照査を実行すると、FEM解析後の照査処理が呼び出されるタイミングでアドレス違反エラーが発生する場合がありましたので修正しました。
- ナビゲーション「節点と要素|平板要素|メッシュ要素」画面上の要素をマウスで範囲選択したとき、実際は選択されていても選択されていないような色の表示になっていた不具合を修正しました。
- レポート出力「残留変位照査結果一覧」で「降伏なし」のときは表の高さが2行分になっていましたが、1行の高さとなるように改善しました。
|
7.00.01 |
'17.12.01 |
■プログラムの機能追加・改善
- ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」にケーブル要素用の収束基準(比率、絶対値)を設定可能にしました。デフォルト値は従来の版で採用されていた1e-8です。このデフォルト値はケーブル要素の長さを精度よく算出するために解析設定よりも厳しい値となっています。ただし、収束できない場合は初期状態が決定されないため本体解析ができません。そのため、収束基準を緩和できるようにしました。
- ナビゲーション「照査設定|断面照査用荷重定義」の各列を常に表示するように変更し、入力可能にしました。断面照査の設定次第で使用されない列は文字列がグレーで表示されます。
- 従来は抽出キーが絶対値(ABS)のときに、正側最大(MAX)と負側最大(MIN)の絶対値が大きい方を選び、符号をとって常に正の値にしていました(軸力Nのみ符号そのまま)。これは断面形状や配筋状態が対称な場合に適用可能でしたが、非対称な場合には適用できませんでした。そこで、正側最大(MAX)と負側最大(MIN)の絶対値が大きい方を選び、符号をそのまま維持するように変更しました。さらに、平均荷重ケースの絶対値(ABS)の算出方法を変更しました。従来は、各ランの絶対値(ABS)を合計してラン数で割ることにより算出していました。これも断面が非対称には適用できませんでしたので変更しました。つまり、各ランの正側最大(MAX)の平均値と各ランの負側最大(MIN)の平均値をそれぞれ求め、それらの絶対値が大きい方を選び、符号を維持するようにしました。これらの修正により、非対称な断面では従来の絶対値(ABS)の結果が変わることがあります。
- 静的解析のステップ数が8万などのように多い場合に、リボン「FEM|シーケンス結果|ウィンドウ」の「入力波形」ボタンを押すとウィンドウが表示されるまでに時間がかかっていた問題を対策しました。
- シーケンス載荷のモデルにおいて基本荷重ケースとランとで異なる支点ケースが割当てられている場合に支点の絵をモデルに表示していませんでしたが、ランの支点ケースの状態をモデルに表示するようにしました。
- リボン「FEM|個別結果|ファイバー要素」ではセル位置を表す五角形のマークが表示されますが、断面の形が横長あるいは縦長の場合に拡大するとマークの大きさが相対的に大きくなっていましたので、ズームしても変化しないように変更し、さらにマークの大きさ自体を変更できるようにしました。
- ナビゲーション「モデル特性|アウトライン|アウトライン要素」のウィンドウを縦に広げたときに内部の表の高さも追随して長くなるようにしました。
■プログラムの不具合修正
- 非構造材料を断面に使用したときに死荷重(Non.St.)の荷重値が異常に大きくなり、そのまま解析するとエラー「ポストプロセス中,フレーム要素でエラー発生。MiddleBufferBlocksarenotpresent」が発生して計算できない事がある不具合を修正しました。
- 降伏曲げモーメントMydの算出用抵抗係数φyは、PFD照査用荷重定義において作用の種類が「レベル1(変動)」のときは1.0(道示III-5.5.1表-5.5.1の「ii)3.5(2)3)でIを考慮する場合」に相当)とするべきでしたが、0.85としていた不具合を修正しました。
- 許容曲率の照査一覧画面で、正負の符号が応答曲率と許容曲率とで異なっている場合がある不具合を修正しました。
- リボン「シーケンス結果|グループ結果|抽出キー|節点」のカテゴリが速度、相対加速度、絶対加速度の結果をレポートリストに追加したときのレポート出力の内容のうち、最小値が最大値の値になっている不具合を修正しました。
- 示方書条項が「道示-VH14[Mu,Ma]」の照査用詳細入力でレベル2地震動タイプIIの入力不足があってもタイプI用のM−φ特性を断面から自動算出する場合はFEM解析が可能なはずでしたが、残留変位照査の入力データチェックで不必要なエラーが発生してFEM解析ができない不具合を修正しました。
- シーケンス荷重の動的荷重の設定で全体終了時刻が元の波形の範囲を超えているときにFEM解析すると「in.xmlを作成できません」というエラーがでて計算できない不具合を修正しました。
- ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」の簡易形状RC断面での入力「箱桁」のH2がゼロのときに断面照査ができず、整数のオーバーフローというエラーが発生する不具合を修正しました。
- ナビゲーション「モデル特性|ファイバー要素の断面|ヒステリシスサムネイル」において鉄筋のヒステリシスをCOM3に変更し、座屈を考慮した上で履歴アニメーション後にウィンドウを閉じて再度鉄筋ヒステリシスをダブルクリックするとアドレス違反エラーが発生し、ファイルに保存できない不具合を修正しました。
- せん断に関する照査用詳細入力画面を表示させた状態で、円形配筋の断面要素画面で終了角に負の角度を入力するとプログラムが動作を停止する不具合を修正しました。
- 入力データのレポート出力「要素|M−φ要素の(M−φ)一覧表とグラフ」の内容で、部分設計に対する要素毎の軸力やMとφの一覧表およびM−φ特性の図が出力されていない不具合を修正しました。
- 基本荷重ケースと組合せ荷重ケースの名称が同じ場合に平板要素の結果をCSVエクスポートすると「重複しています」というエラーメッセージが発生する不具合を修正しました。
- 断面と連動していない任意設定のM−φ特性を割当てた要素に対して曲率照査を行う設定にしているとき、曲率照査の内容をレポート出力するとアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性|M−φ特性サムネイル」からM−φ特性の画面を表示させた状態で、ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」(終局強度法-曲げ)内の「My0算出用コンクリートひずみ」の設定を切り替えると、M−φ特性の骨格形状が正しく更新されていない不具合を修正しました。一旦ファイルに保存してそれを開くと正しく更新されていました。
- ケーブル要素の減衰定数がデフォルトで0.5となっていましたので、H24道路橋示方書V耐震設計編を参考にして0.01に変更しました。
- 荷重ケース結果のレポート出力の図で、フレーム要素の数値付き断面力図の数値が枠内に入りきれずに切れてしまう不具合を修正しました。
- ナビゲーション「支点|支点」で支点を追加してもナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰定数|支点タブ」に追加された支点が表示されない不具合を修正しました。
- ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」の示方書条項に付着応力度や最小鉄筋量のものを設定している場合に、備考欄に間違った情報が表示されていた不具合を修正しました。
- 断面と連動していない任意設定のM−φ特性を割当てた要素に対して、ナビゲーション「照査設定|曲率照査|φ照査」を設定すると対象となる部材名称が赤表示となる不具合を修正しました。
- セル幅よりも長い名称の文字列にアンダーバー「_」とギリシャ文字「αβ」等と漢字を含む場合に、レポート出力すると印刷プレビュー画面で罫線に関する警告が表示されたり、表が正常に表示されない不具合を修正しました。
- ナビゲーション「照査設定|断面照査用荷重定義」の列名称を「地震動タイプ」から「最小鉄筋用軸力」へ、「レベル1」から「Na」へ、「レベル2」から「Nu」へ変更しました。この設定は道示IVの最小鉄筋量の照査に使用されますのでわかりやすい名称に変更しました。
- NetUPDATEを使ってインストールすると英語モードで起動してしまう不具合を修正しました。
|
7.00.02 |
'17.12.14 |
■プログラムの機能追加・改善
- 入出力画面やレポート出力の数値表現が指数表記の場合、指数部を3桁のゼロで埋めて表示していましたが、ゼロで埋めないように変更しました。
■プログラムの不具合修正
- レポート出力後の印刷プレビュー画面で見出し3の番号が正しくない不具合を修正しました。
- 節点抽出クエリが設定されていない場合に、FEM解析後のシーケンス結果「ラン」において絶対加速度の結果が表示されない不具合を修正しました。
- プラグイン(平板モデルジェネレータ、断面ジェネレータ)の画面に、本来表示される文字とは違う文字が表示されてしまう不具合を修正しました。
|
7.01.00 |
'18.02.06 |
■プログラムの機能追加・改善
- ナビゲーション「部分係数設計」に、調査解析係数ξ1/部材構造係数ξ2/抵抗係数Φを変更可能な入力画面「PFD係数」を追加しました。
- H29道路橋示方書IV下部構造編「5.2.1最小鉄筋量,最大鉄筋量」の(1)-2)-iii)の照査「Ast≧0.008A'」を追加しました。
- H29道路橋示方書III編「5.8.2せん断力を受ける部材」の(3)解説にある照査「Asreal≧As」(Asは式(解5.8.8))を追加しました。
- 質量や自動生成荷重(死荷重、水平震度荷重)に乗じる係数を入力できるようにしました。入力場所はナビゲーション「モデル特性|解析設定」です。これにより、H29道路橋示方書で規定されている死荷重や地震の影響に対する荷重組合せ係数γpと荷重係数γqを乗じた値を入力できます。
- H29道路橋示方書IV下部構造編「5.2鉄筋コンクリート部材の設計|5.2.1最小鉄筋量,最大鉄筋量|(1)1)」の解説に記載されている「部材に生じる曲げモーメントの1.7倍がひび割れ曲げモーメント以下の場合には部材の最大抵抗曲げモーメントがひび割れ曲げモーメント以上となるようにする」に対応しました。
- H29道路橋示方書に対してもM−φ特性のカテゴリ「RC橋脚バイリニア(動解)」を選択できるようにしました。これは、平成29年道路橋示方書V耐震設計編p.123解説に示されるMy=Py(h-Lp/2)、φy=(δpy/(h-Lp/2))/Lpにより算出される完全弾塑性型バイリニアです。これは地震時保有水平耐力法が適用可能な構造形式に適用が限定されます。断面と連動しますので、断面形状や配筋の変更に追随し、M−φ特性も自動更新されます。断面の形が上下非対称な場合や圧縮側鉄筋量と引張側鉄筋量が異なる場合など、断面が非対称なときは正側降伏点と負側降伏点を結ぶ直線が原点を通るように補正されます。
- 示方書条項が「JH二集[Mu]、NEXCO二集FRP[Mu]、海洋架橋H17[Mu]、アラミド研H10[Mu]」の断面照査用詳細入力において、コンクリートに対する応力ひずみ曲線の設定「タイプI」にEdesを考慮するスイッチを設置しました。
- 平板要素の結果でミーゼス(Mises)応力は、直応力用と面内純粋せん断用の2種類がありますが、Ver6.0.3以前までは後者の値が算出されていました。Ver6.0.4以降は前者の値を算出するように変更されています。また、平板要素のCSVエクスポートにミーゼス応力を出力するようにしました。
- 固有値解析後に照査ボタンを押せるようにしました。この場合、FEM解析と照査が連続して実行されます。
- ナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰定数」の要素タブにはフレーム要素、剛体要素、ばね要素が混在して表示されていましたが、各タブに分離しました。
- H29道路橋示方書に関するサンプルデータを更新しました。「FourSpanLiveLoad-H29SFHB-F100.esx」と「FourSpanLiveLoad-H29SFHB-F105.esx」は、死荷重と活荷重の組合せに対して荷重係数を考慮した例です。「BlueBookBridge_Mphi_TypeII_Dosi2017.esx」は死荷重に対する荷重係数を考慮した例です。「BlueBookBridge_Vp123_TypeII_Dosi2017.esx」は道示V-p.123のM−φ特性を設定した例です。
- Windowsエクスプローラの表示設定(ペイン)の「詳細ウィンドウ」を有効にした状態で、esファイルやesxファイルをクリックすると詳細ウィンドウにそのデータファイルが保存されたバージョン番号が表示されます。
- Engineer'sStudio面内の圧縮形式データファイル(*.e2x)を開くことができるようにしました。
- ナビゲーション「荷重|荷重の定義|組合せ荷重ケース」から呼び出す「組合せ選択」画面の横幅を広くしました。
- ヘルプのテクニカルノートに「ケーブル要素の初期状態」を追加しました。解説に使用したサンプルデータ「CableLengthAnalysisTutorial_1.esx、CableLengthAnalysisTutorial_2.esx」も追加しました。
■プログラムの不具合修正
- ファイバー要素に用いるコンクリートヒステリシス「COM3」の引張側の内部履歴構成則において、第1象限からの除荷および再載荷の挙動が文献「K.Maekawa,A.PimanmasandH.Okamura,NONLINEARMECHANICSOFREINFORCEDCONCRETE,SponPress,LondonandNewYork,2003」p.31のFigure2.14とは異なる挙動となっていました。平板要素についても同様な挙動となっていました。これらの内部履歴を修正しました。
- 道路橋示方書III「6.4最小鋼材量」の照査「Ast≧0.005*bw*d」において、断面にPC鋼材が配置されているとPC鋼材の断面積も考慮していた不具合を修正しました。Astは鉄筋の面積が対象です。
- ケーブル要素の形状を決定する指定に水平張力または鉛直張力を与える方法(Th/Tv)を採用して初期状態の計算をすると、初期状態の計算前に自動算出された自然長(ナビゲーション「節点と要素|ケーブル要素」で確認可)と初期状態の計算後に算出された自然長(ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」で確認可)にわずかな差が発生していました。この誤差は、初期状態の計算時にケーブルの伸びによるケーブル自重の分布強度低減を考慮していなかったためです。分布強度低減を考慮するように修正しました。ケーブル要素に導入される張力が大きい場合には解析結果に小さな影響を及ぼす可能性があります。
- 任意設定の結果レポート出力「曲率照査一覧」「ばね要素の照査一覧」において、比率やOK/NGのタイトルに不要な単位が表示されていましたので削除しました。
- 任意設定の結果レポート出力「断面照査」「限界状態照査」において、フィルタ指定をフレーム要素にすると2段目の表がA4縦用紙サイズからはみ出していた不具合を修正しました。2段目の列のフレーム要素を削除しました(フレーム要素名称は着目点の列で確認可)。
- 材料、アウトライン、断面、節点、各要素などを選択して「オブジェクトをファイルにコピー」をファイル形式「*.esx」で実行すると、そのファイルを読み込むことができない不具合を修正しました。
- 荷重ケースが多い場合にレポート出力にて平板要素断面力の結果表がページから溢れてしまう不具合を修正しました。
|
7.02.00 |
'18.04.20 |
■プログラムの機能追加・改善
- 照査用詳細入力画面に簡易照査ボタンを設け、呼び出された画面で断面力を入力すると、3次元ひずみ平面・3次元応力度分布図、3次元M-N相互作用図、2次元M-N相互作用図を表示するようにしました。対応している簡易照査は、H8/H14/H24/H29道路橋示方書の曲げ応力度と曲げ耐力、H8/2002/2007/2012コンクリート標準示方書およびH14/H16鉄道標準の限界状態設計の照査項目です。
- H29道路橋示方書III編5.1.1では、降伏曲げモーメントの特性値Mycが最外縁の引張側鉄筋が降伏強度に達するとき又はコンクリートの圧縮応力度がコンクリートの設計基準強度σckの2/3となるときとされています。これに対応するため、後者の条件をコンクリートの圧縮ひずみが0.001071(1071μ)に達する時とし、ユーザ定義も可能なようにしました。この適用範囲は、H29道示III用のM−φ特性やMy0min≦M≦My0maxの照査です。また、H24以前の道示におけるM−φ特性やMy0min≦M≦My0maxの照査用の降伏曲げモーメントMy0については、鉄筋の圧縮降伏ひずみと引張降伏ひずみの両方を考慮していましたが、引張降伏ひずみだけを考慮するように変更しました。旧データファイルを読み込むとMy0の値が変わる可能性がある旨のメッセージが表示されます。残留変位照査、塑性率照査、変位照査におけるMy0算出では従来から引張側の降伏ひずみのみを考慮していましたので、δy0の値は変化しません。
- フレーム要素や平板要素を立体表示させたモデルを、3DStudioのファイル形式でエクスポートする機能を追加しました。解析前の入力モデル、解析後の変形した状態、固有値解析後のモード図が対象です。
- 既存の形状を持つ断面を数値断面に変換してコピーする機能を追加しました。コピーされる情報は、断面積、断面二次モーメント、ねじり定数、単位長さ当たり重量、単位体積重量です。数値断面の設定「断面積x単位重量を加算」はオフとなりますので、単位長さ当たり重量が死荷重(St.)に考慮されます。
- データファイル保存時に、保存先のHDD等に充分な空き容量不足がない場合、エラーが表示されないままファイル保存に失敗することがありました。この時、空き容量不足のためファイル保存に失敗したことを示すメッセージを表示するようにしました。
- 初降伏曲げモーメントMy0算出用にユーザ定義の降伏ひずみを入力した場合の計算処理を変更しました。具体的には、単柱橋脚を対象とした残留変位照査、塑性率照査、変位照査の計算において、My0は引張側鉄筋の降伏ひずみを考慮していますが、この時にユーザ定義の圧縮降伏ひずみが存在していてもそれは無視していました。ユーザ定義の圧縮降伏ひずみを考慮するように変更しました。また、従来のM−φ特性算出やMy0min≦M≦y0maxの照査に対しては、ユーザ定義のひずみが存在しない場合は、鉄筋の圧縮降伏ひずみと引張降伏ひずみの両方を考慮していましたが、引張降伏ひずみだけを考慮するように変更しました。ユーザ定義のひずみが存在する場合はそれも全て考慮されます。
- 平板要素の名称を表示するとき、メッシュ要素の中央にあるプリミティブ中心付近に要素名が配置されるように改善しました。また、平板要素の表と裏のどちらでも表示されるようにし、平板断面を割当てた状態のソリッド表示にしたときに要素名が埋もれないようにしました。
- 計算しないランを照査用荷重定義で照査する設定にしている場合に照査を実行すると、計算するランに対してFEM解析が実行された後、照査を行う段階で計算しないランに対してエラーが発生していましたので、FEM解析前にエラーを出すように改善しました。
- 複数のフレーム要素を「直線状に選択」して活荷重領域を設定するときは、最初に選択するフレーム要素が一番端である必要がありました。途中のフレーム要素から「直線状に選択」しても活荷重領域が設定できるように改善しました。
- 固有値解析結果を任意設定のレポート出力したとき、ラン名称やモード次数を表記するようにしました。
■プログラムの不具合修正
- 組合せ荷重ケース内のプレストレス荷重は、解析設定の荷重載荷方法が「シーケンス載荷」のときはチェックをオン/オフでき、「ケース載荷」のときはチェックをオン/オフできませんでした。これにより、「シーケンス載荷」でチェックをオフにし、「ケース載荷」に変更すると組合せ対象ではない状態で固定され、FEM解析が出来ない問題がありました。「ケース載荷」のときでもチェックをオン/オフできるようにしました。
- H29道示III「6.2内部鋼材の防食」と「6.3コンクリートの疲労」のときに補正係数Ceの設定が常に自動で考慮されていました。任意入力できるように変更しました。
- 平板要素の結果「材料応力」において、座標系の指定次第では、結果の数値が発生しないにもかかわらず(コンタ図では値なしと表示)、テーブル表示「平板要素現在情報」には間違った数値が表示される場合がある不具合を修正しました。
- 示方書条項が「H14/H24道示-IVH14[5.1.3]、土工指針H11[3.2.2(2)]、土工指針H22[5.4.3]」の平均せん断応力度の照査「τm<τa2」をしていない場合(yp方向のみ、あるいはzp方向のみという入力状態の場合)に、τm/τa2の比率が不定となってしまい、照査結果が正しくない不具合を修正しました。
- 複数のメッシュ要素のスムージングIDが同じでそれらの要素座標系が異なる場合に、メッシュ要素毎に要素座標系(x'またはy')で結果を表示すると、コンタ図やコンタ図凡例が正しくない不具合を修正しました。平板要素のCSV出力の結果は正しい値となっています。
- 照査用詳細入力プロパティ画面で断面要素を選択して他の照査用詳細入力の断面要素にコピーするとき、同一材料の断面要素がコピー先の対象として正しく認識されない不具合を修正しました。
- ポストプロセス後の最終処理の段階で「破棄」ボタンを押すとエラーが発生する不具合を修正しました。最終処理が完了するまでは「破棄」ボタンを押せないようにしました。
- 平板要素の変位コンタ図を各メッシュ要素の座標系に対して成分(δxl、δyl、δzl)で表示させたときの図が正しくなかった不具合を修正しました。
- システムオプションで「描画オプション|説明文字列を表示する」のチェックをはずすと、コンタ図左上の文字列が非表示になりますが、コンタ切断図では凡例(位置図の画面表示と画像ファイルの両方)が赤になってしまう不具合を修正しました。
- 「活荷重」という基本荷重ケース名称がある場合に、解析設定「活荷重(影響線解析)」にチェックを入れるとプログラムが動作しなくなる不具合を修正しました。
- 強制変位を与えたシーケンス載荷モデルの計算前チェックによる警告メッセージが正しくない場合がありましたので修正しました。具体的にはランに設定されている支点ケースに対するチェックが間違っているために、警告メッセージが必要な場合に表示されなかったり、不要な場合に表示されたりすることがありました。
- 断面に鉄筋を直線で配置するときに「本数&ピッチ」を指定すると、接続点「Lengthleftend」のzとyの座標の表示が正しくなかった不具合を修正しました。
|
7.02.01 |
'18.09.18 |
■プログラムの機能追加・改善
- 平板要素を表現するメッシュ要素が多数ある場合(例えば1万個)に、すべてを結合して1つのメッシュ要素に変更すると、完了するまでに時間がかかっていた(例えば40分)問題を改善しました(高速化後は例えば数十秒)。
- 材料、アウトライン、断面、M−φ特性、照査に関する設定(照査用詳細入力等)、曲率照査の各種データをEngineer'sStudioSection形式でエクスポートする機能を追加しました。照査実施後にエクスポートすると断面力も保存されます。
- Engineer'sStudioSectionと互換性のある共通ファイル形式「*.ess」を追加しました。対応しているデータの種類は、材料、アウトライン、断面、M−φ特性、断面照査用詳細入力(H14/H24道示、H29道示、限界状態基準)です。これらをEngineer'sStudioからEngineer'sStudioSectionへ、またはその逆方向へデータを連動できます。
- 断面照査用詳細入力において、終局強度法-曲げの示方書条項が「NEXCO二集FRP」「海洋架橋H17」「アラミド研H10」「JH二集」のいずれかのとき、FRPシートと横拘束筋による横拘束効果が共に無しの状態を許していませんでしたが、H14道示VのタイプIのコンクリート応力ひずみ曲線を用いるように拡張しました。これにより、UC-win/FRAME(3D)の曲げ計算用準拠基準が「FRP-NEXCO二集」で、鉄筋と繊維シート(FRP)の横拘束材料がともに無しのf3dファイルを読み込むと、M−φ特性が成立せずに計算できない問題を回避することができるようになりました。
- リボン「モデル|追加|剛体要素」は1個の剛体要素を作成して完了するコマンドでしたが、連続して複数の剛体要素を作成できるようにしました。
■プログラムの不具合修正
- ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」の「軸力N'設定」が「初期状態より設定」となっているプレストレス部材の軸力が1次力を考慮した値となっていた不具合を修正しました。修正後は、初期断面力の数値から1次力を差し引いた軸力の値でM−φ特性が自動算出されます。この不具合はVer6.0.0以降(Suite版は3.0.0以降)に内在していました。
- 非線形平板要素に割り当てる平板断面の入力において鉄筋配置種類が「鉄筋が1軸」としたとき、Y方向の鉄筋比や初期ひずみ(ρy、ρey、εiy)は解析に使用されない仕様でしたが、実際には解析に使用されていました。これは、鉄筋配置種類を「鉄筋が2軸」としてそれらの値を入力した後に鉄筋配置種類を「鉄筋が1軸」に変更した場合に発生します。Y方向の鉄筋比や初期ひずみを入力していない場合は影響ありません。
- FEM解析後のリボン「シーケンス結果|抽出キー」に表示される平均荷重ケースの絶対値ABSの断面力値が間違っていた不具合を修正しました。リボン「照査|断面|道示断面力」は問題ありません。
- 平板要素の変形性能基準のテーブル表示において、鉄筋の損傷基準に切り替えて表示したときに、コンクリートの損傷基準の結果が表示される場合ある不具合を修正しました。
- 平板要素の時刻歴結果「現ステップ」において、ランが複数ある場合に各ランの数値が同じになっていた不具合を修正しました。
- リボン「荷重ケース結果|グループ結果|荷重ケース」において、活荷重(影響線解析)の結果をモデルに図示したときの荷重ケース名称が正しくない不具合を修正しました。
- ばね要素の「変位レベル」「変位基準」、M−φ要素の「曲率レベル」「曲率基準」、ファイバー要素の「ひずみレベル」「ひずみ基準」の表を表示したまま別のファイルを読み込むとそれらの表が正しく更新されない場合がある不具合を修正しました。
- 気象庁(JapanMeteorologicalAgency)が提供しているデジタル波形データ(JMA)の鉛直成分が正常に読めない不具合を修正しました。
- 断面作成用のアウトラインを構成するアウトライン要素をマウスでドラッグしながら移動するときに意図しない場所でスナップ(グリッド点や参照点に吸い付く機能)されていた不具合を修正しました。断面を構成する断面要素に対しても同様な不具合を修正しました。
- 鋼製部材のひずみ照査の「照査設定」において、計算しないランが指定されているとき、計算後にリボン「照査|結果」をクリックするとエラー「動作を停止しました」が表示されてプログラムが強制終了する不具合を修正しました。計算しないランが指定されている場合は、計算されたランだけの鋼製部材のひずみ照査結果が表示されるようにしました。
- 活荷重の設定において、主載荷荷重と従載荷荷重とが共にゼロで群衆荷重に有意な値が入力されている場合に、ポストプロセスでアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- リボン「結果|レポート設定|任意設定」の表内で断面照査総括表を削除するとアドレス違反エラーが発する不具合を修正しました。
- M−φ特性が任意設定で作成されているとき、入力データのレポート出力で、「要素|M−φ要素の(M,φ)一覧表とグラフ」が出力されない不具合を修正しました。
- ナビゲーション「荷重|荷重の定義|基本荷重ケース」で複数の基本荷重ケースを削除するときに、プレストレス荷重が含まれているとアドレス違反エラーが発生する場合がある不具合を修正しました。
- ナビゲーション「断面照査用詳細入力」の1つをクリップボードにコピーし、別のモデルに貼り付けるとき、コンフリクトオプションの設定で「その他のオブジェクト名称が同じ場合」を「貼り付けデータを維持」にしてOKボタンを押すとアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- ランに対するモデルチェックにおいて、強制変位が含まれているかどうかの判定が間違っていました。各ランに対して、強制変位を与える荷重(基本荷重、組合せ荷重)が含まれているかどうかをチェックし、含まれていれば、その節点に支点が設定されているかどうかをチェック(各ランの支点ケースに対して)するようにしました。警告メッセージを正常にした修正なので計算結果には影響しません。
- 初期断面力算出対象の組合せ荷重ケースの組合せ対象となる基本荷重ケースがゼロ個の場合にFEM解析を行うとアドレス違反エラーが発生する不具合を修正しました。
- 3dsエクスポート(VRエクスポート)で、モデル内に数値断面を割り当てた部材が存在すると、材料色の設定を「材料の色」にチェックを入れた場合に警告メッセージがでてエクスポートできない不具合を修正しました。数値断面部材を無視してエクスポートするようにしました。
- 残留変位照査の名称に半角アンダーバー「_」が含まれているとレポート出力後の印刷プレビュー画面において下付き文字になる場合がある不具合を修正しました。
- ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」の「M−φ骨格」ボタンから呼び出すM−φ特性の骨格曲線が成立していない場合(断面から自動算出時)に、曲率と曲げモーメントのテーブル数値が正しく表示されない不具合を修正しました。
- FEM解析後の結果モードにおいて、ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」から呼び出す「断面要素|アウトライン」がスクロールできない状態になっていた不具合を修正しました。
- ナビゲーション「性能基準|ばね要素|変位レベル」、「性能基準|M−φ要素|曲率レベル」、「性能基準|ファイバー要素|ひずみレベル」のテーブルの列「色」の各セルに色ではなく、数字が表示されていた不具合を修正しました。
|
7.02.02 |
'18.10.15 |
■プログラムの不具合修正
- 示方書条項が「道示-V H14 [Mu,Ma]」の照査用詳細入力を用いたばね特性(M−θモデル用)が正しく作成されない場合がある不具合を修正しました。この不具合はVer 7.2.1(スイート版は4.2.1)で発生していました。それより前の版では正しく作成されていました。
- 計算しないランが含まれている平均荷重ケースと計算するランが含まれている平均荷重ケースが混在する場合に、平均荷重ケースに対する曲率照査の応答曲率がゼロになってしまう不具合を修正しました。
- 曲率に関して、従来は抽出キーが絶対値(ABS)のときに、正側最大(MAX)と負側最大(MIN)の絶対値が大きい方を選び、符号をとって常に正の値にしていました(軸力Nのみ符号そのまま)。これは断面形状や配筋状態が対称な場合に適用可能でしたが、非対称な場合には適用できませんでした。そこで、正側最大(MAX)と負側最大(MIN)の絶対値が大きい方を選び、符号をそのまま維持するように変更しました。さらに、曲率に関して、平均荷重ケースの絶対値(ABS)の算出方法を変更しました。従来は、各ランの絶対値(ABS)を合計してラン数で割ることにより算出していました。これも断面が非対称には適用できませんでしたので変更しました。つまり、各ランの正側最大(MAX)の平均値と各ランの負側最大(MIN)の平均値をそれぞれ求め、それらの絶対値が大きい方を選び、符号を維持するようにしました。これらの修正により、非対称な断面では従来の絶対値(ABS)の結果が変わることがあります。この修正はVer 7.2.1(スイート版は4.2.1)で実施されていましたが、改訂履歴に記載されていませんでした。
- 作成済みの剛体要素を選択して、リボン「編集|剛体要素編集」を呼び出し、新しく節点をクリックしても追加されない不具合を修正しました。
|