Maxsurf Motions (Seakeeper) |
波スペクトラ理論
船舶の動揺解析プログラムであるMaxsurf Motionsにおいて使われている波理論について紹介します。
波エネルギー
波長に渡る平均エネルギーEは、波の振幅の二乗に比例します。
波スペクトラム
非定常波は、異なる波周波数の波エネルギーの量を示し、スペクトラムは、周波数に対するスペクトラ密度のプロットとして表現されます。
典型的な波エネルギースペクトラムを下に示します。
■図1. 波エネルギースペクトラム
海面の状況をスペクトラムで表現することにより、波間の船舶の動きを入力への応答として表わすことができます。
応答振幅演算子(Response Amplitude Operator)
Response Amplitude Operator(RAO)は、船舶の応答が周波数によってどのように異なるかを表します。RAOは波高もしくは波傾斜により無次元かされた値です。RAOの例を下に示します。
■図2. RAOグラフ
船舶動揺の計算
線形と仮定すると、船舶のRAOは船型、速度、ヘッディング角にのみ依存します。そのため、RAOが求められると、任意の海象における船舶の動揺が計算で求められます。すなわち、任意の波スペクトラムに対する船舶動揺のスペクトラムを得ることができるのです。
■図3. 船舶動揺スペクトラム
レンダリングイメージ
Maxsurf Motionsは、モデルの3Dレンダリングイメージを表示することができます。動揺解析が行なわれていて、表面波の計算が済んでいれば、自由表面波のイメージがレンダリングに含まれます。
波面の計算
有効な動揺解析結果が得られていれば、波面の計算オプションが実行できます。オプションを選ぶと、下のようなダイアログが表示されます。
■図3. 船舶動揺スペクトラム
自由表面波の計算には3つのオプションが用意されています。静的(フラット)、定常波、非定常波です。ダイアログの下部では、定常波もしくは非定常波時にパネル圧力を表示するかしないかのオプションが選べます。“Smooth shading”が選択されると、パネル圧力は、パネル間で均されます。パネル圧力のオプションは、ストリップセオリーでは適用されません。
静的(フラット)自由表面
この方法では、自由表面水位の計算は行なわれません。
ロール減衰シミュレーション
このオプションを選択すると、自由表面水位の計算は行なわれず、アニメートの実行で、ロール減衰テストが行なわれます。これは、船舶に初期ヒールが加えられ、5秒後にリリースされ、ロールの減衰が確認されます。
開発元:Bentley Systems(Formation Design SystemsはBentley Systemsに吸収合併) |