合理的で独自の技術提案が集積、更なる裾野の広がりに期待
午後の部後半は「第6回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表と表彰式が行われました。
構造解析(土木・建築)や地盤工学、水工学、防災の各分野を対象とするエントリー作品(10月8日までに応募のあった多数作品の中から10月11日の予選選考会で8作品をノミネート)に対し、11月12日に審査委員長の吉川弘道・東京都市大学名誉教授、審査員の守田優・芝浦工業大学副学長・工学部土木工学科都市環境工学研究室教授および若井明彦・群馬大学大学院理工学府教授の3氏が、フォーラムエイト東京本社にて最終審査会を実施。これにより各賞が決定されました。
グランプリは、秋田県立大学システム科学技術学部による「鉄骨構造物の簡易計測技術の開発 -ピエゾ極限センサを用いた構造物の利便的な健全性モニタリングシステムの構築-」。
|
|
|
審査員:左から吉川氏、守田氏、若井氏 |
|
大震災をふまえ、鉄骨構造物の健全性を評価するために、自律型極限センサを用いた長期的かつ安価で簡便な計測を実施可能にするモニタリングシステムの構築が求められていることを背景とし、新センサの出力から変位量や荷重の予測を可能にする解析技術について検証した結果を発表しました。「実験結果を検証する目的でEngineer's
Studio®を活用。オーソドックスで本来的な活用手法による成果であったことを評価して、グランプリに選出しました」(吉川審査委員長)。
準グランプリ(優秀賞)は、有限会社エフテックによる「山地河川における洪水氾濫解析 -氾濫水の動的挙動を再現する-」。急峻な堀込河道における氾濫では、浸水範囲よりも氾濫水の動的な挙動を明示する方がより現実的な情報となるという考え方のもと、実現象の再現性を主軸とした解析を実施しました。受賞者代表の方は「非常に難しい内容だったが解析ソフトの発達によって満足いく結果を得られた」とコメント。審査員の守田氏からは、山地河川でのxpswmmの利用、山地河川の変容による影響解析への期待も伝えられました。
このほか、「審査員特別賞Elaborated Bridge Design賞」(ショーボンド建設株式会社)、「審査員特別賞 Water Supply
Resilience 賞」(ナレッジフュージョン株式会社)、「審査員特別賞 Performance-based Design賞」(株式会社九州土木設計コンサルタント)の各賞が各審査員により発表・授与されました。最後に吉川審査委員長がNaRDAの意義を踏まえ、来年に向け更なる参加の広がりへの期待を述べて総括。これをもって、本年の3日間のセッションがすべて終了しました。
|
受賞者の皆様 |
|